クロアチア・ボスニア観光旅行の思い出シリーズ最終回です!(2011年の旅行です。念のため)

サラエボ編

サラエボはボスニア・ヘルツェゴビナの首都で、地理的にも国土の中心に近い位置です。歴史的にもサラエボ事件サラエボオリンピックで有名ですね。

もちろん、90年代に勃発したユーゴ内戦(ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争)でも激戦の舞台となり、4年間もの間包囲され砲撃、狙撃されたニュースを覚えている方も多いのではないでしょうか。

直前に観光したモスタルからは再びバス移動になります。バスはなかなかのスピードで飛ばしていました。基本的に山道ですが、前の車をビュンビュン追い抜くので少々恐怖を覚えた記憶が…。

さて、そんなサラエボですが、首都だけに活気があって見所は多いです。ただし、モスタル以上に観光向きではありません。しかも、何度もお伝えしている通り私が旅行したのは2月で、ボスニアは極寒です。モスタルは強風が吹き付けてきましたが、サラエボは滞在した1日半の間一度も晴れず、気温が0℃を上回ることはありませんでした。。

街を見ると観光客と思われる人といえば、西欧方面からきたと思われるスキー客をちらほら見かけました。オリンピックが開催されただけあってスキー場が充実しているのかもしれません。また、日本人はおろか東洋人は1度も見かけませんでした。観光地ではないぶん、特に声をかけられることもないですが、現地の子供たちにはジロジロみられたり笑われたりしました(苦笑)。

ボスニア・ヘルツェゴビナでは「兌換マルク」という通貨を使用します。これは独立紛争後にドイツの支援で経済復興した名残のようです。ちなみにキューバ旅行の際は「兌換ペソ(CUC)」を使いましたが、これは観光客向けの通貨でした。

また、ボスニア・ヘルツェゴビナは今でもEUが治安維持の一部を担っており、街中でもドイツ軍らしき 兵士の姿を見ることができました。

サラエボは約半数の住民がイスラム教徒で、街中ではモスクで礼拝している様子が見れたりします。金髪の青年が、つまりいかにもヨーロッパの見た目の人が礼拝しているのは、先入観を覆してくれるので興味深いものがあります。ただ、ボスニアのイスラム教はかなり世俗的なようで、ヒジャブの女性などは極めて少ないです。おそらく宗教学校の帰りと見られる女子生徒くらいでした。またレストランではお酒の提供もあり、むしろビールは名物のようです。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、サラエボで撮った写真をご紹介します。

サラエボ事件で有名なラテン橋

サラエボ事件で有名なラテン橋。ここでオーストリア皇太子が暗殺され、第一次世界大戦のきっかけに。

サラエボ旧市街地の噴水

旧市街地の噴水。凍ってました。。

旧市街地

旧市街地

オリンピックスタジアム跡

少し足を伸ばしてオリンピックスタジアム跡へ。内戦で墓地が足りなくなり敷地が墓地になっています。墓地の写真を撮るのは躊躇したのでこれだけ。



トンネル博物館

こちらは「トンネル博物館」。内戦時に包囲されたサラエボ市民側が弾薬や物資の調達に利用したトンネルが保存されています。

トンネル博物館内部

トンネル博物館内部

サラエボ空港

サラエボ空港。この旅もおしまいです。


サラエボ市内観光は、旧市街地→オリンピック会場跡地→トンネル博物館という感じで周りました。旧市街は観光客もたくさん(?)いて、お土産なども売っています。有名なお土産は空の薬莢を使ったお土産です。ペンとかあります。内戦で大量の薬莢が街に散乱していたのでそれを名物にしたみたいです♪

オリンピック会場跡地は観光地でもなんでもありませんが、広大な墓地が有名なので見に行きました。現地は誰もいなくて少々怖かったですが、聞いた話通りの状況と広大さに圧倒されてしまいました。途中、ローカルなマーケットを見かけましたが、観光地や中心部のそれと違って非常に雑多な感じで生活必需品などが売られていたので興味深かったです。

トンネル博物館は説明の通りですが、建物が銃弾の跡だらけなことなどはもう慣れっこになってしまいました。サラエボは市街地も建物は銃弾痕だらけなので…ちなみに泊ったホテル(Hotel Central)の窓から見える建物も穴だらけでした。

そんなサラエボですが、市街地は比較的広くて、旧市街地以外でも大きなショッピングモールやホテルなどがあり、活気がありました。治安などが心配、という声もあるかもしれませんが、街は平穏そのもので、銃弾痕さえなければ内戦があったことなど気づかないほどです。

内戦がサラエボ、そしてボスニア、旧ユーゴスラビアに消えない傷を残したのは事実ですが、地下トンネルを築いて包囲に抵抗したタフさや、戦後復興して力強く生活している様を実際に見ることができて少し安心したというか嬉しくも感じました。とっても好きな街になりましたよ。なかなか気軽には行けませんが、ぜひまた訪れたいです。

旅行中読んでいた本をご紹介

この本を事前に購入して旅行中に読んでいました。非常に興味深かったのでご紹介します。



非常に簡単に説明すると、ボスニア紛争時に独立派と反独立側双方が繰り広げたプロパガンダ合戦の様子を記したドキュメントです。欧米、特にアメリカの世論を動かすことを重要視して双方ともアメリカの「PR会社」つまり広告代理店のような存在ですが、企業に依頼して「どちらが悪か」というPR合戦を繰り広げたという実態が取材されています。当時のことを覚えている方ならわかると思いますが、一連の内戦ではセルビア人勢力側が圧倒的な「悪」として認知されました。しかし実態としては双方とも戦争犯罪の応酬があり、戦後に設置された国際戦犯法廷でも双方が裁かれています。もちろん、軍事的に優位だったセルビア人勢力側の方が大規模な破壊や虐殺が多かったのではないかと思いますが、事実以上に圧倒的に善悪が決まってしまったのはこのPRの成果だったという恐ろしい実態です。

それでは、この旅行記もおしまいです。余談ですが、この旅行から帰ってきた1ヶ月後くらいに東日本大震災が発生して旅行の楽しい思い出も吹っ飛んだことをよく覚えています。今となってはこれも思い出と言えるのか…。



サラエボ、希望の街角 [DVD]
ズリンカ・ツヴィテシッチ
アルバトロス
2011-09-02