NHKBSで深夜に放送している、「世界のドキュメンタリー」では意欲的な内容が多く、ときどき見てしまうのですが、先日放送していた「最高の組み合わせ」という、ユダヤ教正統派の結婚事情についてのドキュメンタリーが面白かったのでメモがてら。本人たちにとっては真剣に大ごとなんでしょうが、面白かった、と言うからにはかなり好奇心として見ていることは認めます。すみません。でもなかなか見れるものではないので興味深かったです。

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正統派や超正統派については、黒服を着てヒゲやもみあげを伸ばしている男の人や子だくさんというイメージしかなく、以前民放の番組では、男性は女の人と目を合わせて話してはいけないとのことで、日本人女子アナのインタビューの際に目を合わせずにインタビューに答えていた記憶がありました(この番組でした)。

実際にこのドキュメンタリーでも戒律の厳しさは垣間見えます。家にはテレビを置いてはダメだったり、既婚の女性は髪を剃り、ターバンのようなものを頭に巻いていたり。それでも家族は仲良く若い正統派信者も楽しそうに暮らしているのが印象的でした。

肝心の結婚事情ですが、これは「仲人」と呼ばれる仲介業者を介してお見合いのようなことが行われます。仲人たちは中年女性。

条件に合った異性とデートをして本人たちや家族が合意すれば結婚に至ります。超正統派でもいきなり結婚が決められていたりするわけではないというのは少し意外でした(もちろん、ここでは一部のケースが描かれているだけでしょうが)。

デートは基本的には何時間もかけるものではなく、少し会話するだけ。若いカップルなら常識的には何回も回数を重ねるものではなく、3回くらいで決めるべきもの、だそうです。
ここでは離婚歴のある人も何人か出てきます。離婚はある程度自由なのかも。しかし離婚歴のある女性は敬遠されるらしく、相手に離婚歴があっても構わない、子供がいなければ、と言っていた人も、なかなか相手が見つかりません。



相手に求める条件の中には「人種」も時々登場します。この番組では東欧系が多かったようです(そもそもイスラエルには東欧からの移民は多く、正統派の中でも東欧系は主要な位置を占めるようです)。様々なバックボーンを持つ人々が暮らすイスラエルのユダヤ人はそれぞれのコミュニティごとに生活習慣や宗教観が結構異なったりするみたいですね。特に厳格な正統派ほど、その差異が埋めにくいのかもしれません。

あと、興味深かったこととしては超正統派の男性の中にはトーラー(ユダヤ教の聖典)の勉強に打ち込むためにほとんど仕事をしない人もいるとか。こういう人とは結婚したくないという女性がいたのも印象的でした。

ちなみに、このドキュメンタリーは2014年にイスラエル製作されたもの。動画のフルバージョンがYouTubeにもアップされてました。ヘブライ語の字幕しかついてませんが…(話されている言葉はイディッシュ語なんだろうか?さすがに全く不明)。でも生活の雰囲気など少しわかるかも。


NHKBSでも、また再放送されるかもしれませんので気になる方は是非。

少し残念なのが、いわゆる世俗派と呼ばれるような普通のユダヤ教徒がほとんど出てこないので、正統派の人々が一般のイスラエル社会の中でどういう位置づけなのかが全く分からなかったことでしょうか。

ちょっと取り留めもなくなってしまいましたが、今回はこの辺で!
 



ユダヤ教: 歴史・信仰・文化
ギュンター シュテンベルガー
教文館
2015-03-18